嗅覚障害

嗅覚障害

 

目次 (各項目へ飛べます)

◎はじめに

◎鼻の構造

◎嗅覚障害

◎鍼灸の効果はあるのか

◎鍼灸治療は何をするの?

◎自宅でできること

 

 

コロナ禍以降、嗅覚障害で鍼灸院にくる方が増えました。遠方からの問い合わせを受けたこともあります。わざわざ北陸から通うから治してほしいという切羽詰まったものもありましたが、そちらの方は嗅覚障害の説明と、通える近くの鍼灸院を探すようお伝えしました。

ある時突然ご飯のにおいがしなくなった。雨のにおいがわからなくなった。なんて経験をすると一生このままなんじゃないか、治るのか、と不安になると思います。

そんなわけで今回は嗅覚障害とそれに伴う味覚障害(風味がわからない等)について書きたいと思います。

 

 

 

まずは鼻の構造からみていきましょう。

 

まずにおい物質が鼻から入ると、鼻腔を通った空気(におい)は嗅上皮という粘膜に到達します。すると嗅上皮にある嗅細胞が電気信号を発して、嗅神経を通り嗅球、大脳辺縁系に達してにおいとして感じます。

ちなみに人の鼻は数十万種類のにおいをかぎ分けられるそうです。

 

 

嗅覚障害には大まかに3種類あります。

  • 中枢性嗅覚障害

事故などの外傷によって脳神経の一つである嗅神経の繊維が、鼻腔の最上部付近で損傷したり、切断したりすると嗅覚が失われます。生涯に渡って嗅覚を失う原因で一番多いです。また加齢でも嗅覚を失いますが、それもこの一つです。

  • 末梢性嗅覚障害

コロナウイルスで嗅覚受容器が一時的に障害され、数日~数か月の間においや味(風味)がわからなくなります。これは前からインフルエンザウイルスでも稀に見られましたが、コロナウイルスは圧倒的に多く話を聞く気がします。

ごくまれに永久に嗅覚が失われる例も存在します。

  • 呼吸性嗅覚障害

副鼻腔炎や鼻炎、鼻中隔湾曲などでみられます。嗅上皮のところまで空気が到達しないことでにおいが感じられないタイプです。つまり簡単にいえば鼻づまりタイプです。

病院では点鼻薬抗生物質ネブライザーなどやられるかと思います。

ステロイドの点鼻や服用は聴覚の時と同様に、嗅覚障害への薬物治療として代表的なものになっています。ステロイドは医師の指示のもと、しっかりと続けないと効果が出ませんので、用法容量を必ず守って服用してください。亜鉛味覚障害と同様におすすめみたいです。併用して鍼灸治療をすると効果的ですが、やはり嗅覚障害になってからすぐに治療を始めると治る確率は高いです。

 

 

 

鍼灸の効果はあるのか。

これら3つの種類で最も鍼灸治療効果が高いのは3、呼吸性嗅覚障害だと思います。2、末梢性のものも、3を併発していることがありますので鍼灸はおすすめです。実際に新型コロナウイルス感染後に来院された方で8割くらいは鍼灸効果が出ています。来なくなってしまい、結果が追えない例もありますが、何もしないよりは確実に効果は出ています。

1は効果的とは言えませんが、1,2,3すべてで、いつ治るのかといった不安や焦り、緊張などを改善していく上で、鍼灸は効果があります。

 

 

 

鍼灸治療の内容

 さきほど鼻詰まりの改善の話をしましたが、それゆえに慢性副鼻腔炎や花粉症なども同じように鍼灸治療をすることが多いです。

簡単に言いますと、西洋医学的に三叉神経を刺激する鍼や、東洋医学的には「肺」「大腸」「胃」「肝」「腎」などの経絡に属するツボを使うことが多いです。東洋医学的に考える治療では鼻に問題を起こしている原因がそれぞれ違うと考えるので、使うツボは人によって変わります。

例えば、

肝が原因の場合:肝の役割の一つに、体の巡りを調節する疏泄というものがありますが、肝気鬱滞になると肝の気の流れが滞り、それが肺に影響して肺の水を調節する機能が低下し鼻に影響します。

腎が原因の場合:腎陰虚という状態になると、腎の陰成分が少なくなるので、相対的に陽成分の方が大きくなり、虚熱が生じます。この熱で気や血などは上に上がっていくので、鼻が詰まります。

これはあくまで一部ですが、結果の鼻詰まりは一緒でも、どこから問題が発生したのかでやり方が変わってしまうのが東洋医学的な鍼灸治療です。これが厄介でもあり興味深い部分ですね。

 

 

自宅でできるトレーニン

有名なものに嗅覚刺激療法(においトレーニング)があります。

レーニングといっても簡単なので根気よく続けてみてください。

方法は簡単で、とにかくにおいを嗅ぎにいくというものです。普段よく嗅ぐにおいや、アロマオイルの香りなどを一日数回嗅ぐようにします。2-3回は嗅いだ方がいいです。

ユーカリやレモン、ラベンダーなど好きなオイルを用意してみてください。炊き立てのご飯の香りやアルコール消毒のにおいなどでもいいです。最近は100均にもアロマオイルが売っているので試しやすいですね!嗅ぐときはキャップを嗅ぐか、手で小瓶を仰ぐようにして嗅ぐと危険が少ないです。

嗅覚は順応しやすいので、最初はにおいを感じても、ずっと嗅いでいると感じなくなってしまいます。そのため、におい嗅ぎトレーニングはずっと同じ匂いではなく、様々な種類を嗅いだり、休憩したりしながらやるようにしてください。コーヒー豆の香りを嗅ぐとすぐにリセットできますよ!

 

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